scene6  魔法石&真魔石

「地球に帰るには、魔法石という特別なものを使わないといけないの。」
「魔法石?」
ユカの発した言葉に対し、トオルとエミは声を揃えて首をかしげた。地球に帰るため、無いに等しい確率に賭けるため、トオルたちは地球に帰る方法を聴いている。
「魔法石というのはその名の通り、魔力を持った石のこと。その魔力は小さな事から大きなことまで出来る。この世界でも特殊のものなのよ。」
「その魔法石ってやつを手に入れれば元に帰れるんだな?」
「ええ。」
「なら簡単じゃねえか。それを手に入れて使っちまえば終わりだろ。」
「それもそうではないの。」
「?」
ユカは先程トオルから受け取り、前のテーブルに置いた光る石を取り上げ、見せた。石はさっきと変わらず輝いている。
「これが魔法石よ。」
「!!」
二人は驚いた。
「なんだ、あるんじゃん!もうすぐにも地球に帰れるじゃんか!」
「そう、私も最初はそう思ったの。けど違ったわ。」
「え…、違うのか…?」
「魔法石は自然界にあるものや、人工的に造られたものなど色々あるの。魔法石は9割は人工物よ。そして自然界で出来た魔法石の中でも更に特別なもの…。真魔石。」
「真…魔石?」
「真魔石、それは一つで魔法石の約500倍の力を持っているの。魔法石は一つでも自然の力を利用することが出来るものもあるわ。」
「それの…500倍…。」
トオルは顔を強張らせながらそうつぶやいた。
「真魔石は自然の力を利用ではなく、操作できることが特筆すべき点ね。」
「操作してしまうほど、力を持っているのね…。」
今度はエミがつぶやいた。
「その真魔石ってもののことを話すってことは、集めなきゃいけないってのはそれのことか。」
「その通り。だけど真魔石はこの世に5つ存在している。恐らくその5つとも全て集めなければ地球には帰れない。」
「5つもか…。あ、ユカ、真魔石1つでも自然の力を操作出来るってんならよ、そんなの5つ集めなくても帰ることは出来そうだぜ?」
ユカは少し黙って、口を開いた。
「そのことを話すには、この世界郡特有の特殊な資格のことを話さなければならないわね。」
「資格?」
「ええ、地球では数千年は待たなければ出ないくらいの特殊な資格のことを――。」

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