みさきと一緒

作:海李

夏のある日、もう高校の終業式も近いときだった。俺が家に帰ってきてすぐに、いつもは出迎えることなんてしない母親が出迎えに来た。俺は不審に思いつつも靴を脱ぎながら背中越しに母親の言葉を聞いた。
「今日から家族が増えるわよ。」
「・・・・・はい?」母の声は嬉しそうだった。早速居間に行くと、父親と確かにもう一人誰かがいた。・・・・ん?おかしい!どう見てもこいつはおかしい!何故!何故こいつの頭にアンテナみたいなものが!?しっぽがあるぞ!しっぽが!そのしっぽも長さが30cm程はあった。で、肝心の外見は・・・・か、か、可愛い・・・・。15歳くらい、俺より一つ年下くらいか?身長は160cmくらいの女の子だ。その女の子が居間にちょこんと正座をしていた。母が説明を始めた。
「この子は5年程前から施設に預けられてた子でね、そこを抜け出してきたらしいのよ。それで母さんがこの子の母親に似てるらしいのよ。それで引き取ることになってね。」漫画にありそうな設定を母は尤も(もっとも)らしく言った。
「裕樹、この子と仲良くするのよ。」(そうそう、言い忘れていたが俺の名前は高崎裕樹、高校2年生だ。)俺が少し黙っていると、その女の子が
「あたし、みさきといいます。よろしく。」と、かわいらしい声で言った。愛想は悪くない。
「あ、裕樹です。よろしく。」普段は元気物の俺も少し控えめになった。挨拶もそこそこに母はとんでもないことを言い出した。
「部屋、もうないから、場所が出来るまで二人同じ部屋になるから。」・・・・はぁ!?健全な男子高校生がいきなりやってきた見ず知らずの女と相部屋!?ふざけんな!母に反論しようとした。そのときみさきがこっちを向いた。なんだろうと思いつつ目を合わせるとみさきはニコッと微笑んだ。・・・・ある意味ラッキーかも。

時間は過ぎ、夜になった。俺は自分の部屋で勉強机に向かい、宿題をしていた。『メキメキメキッ!』・・・・この音は何だろう。後ろはみさきが座ってたはず。振り向いてみると、みさきは俺の部屋に置いてあった、PS2を持って片手で握りつぶしているじゃありませんか。
「ああぁぁああぁああああぁ~~~・・・・。」俺は絶叫した。心の中で。近所迷惑だから。
「みさき!おまえ何やってんだよ!PS2がぁ・・。」正直泣きかけた。
「ごめんなさい・・。」みさきは反省していた。ここに来たばっかりだし、怒るわけにも行かず、なんとか自分を抑えながら、
「い、いいよ・・。」明らかに顔は引きつっていたと思う。 
そんなこんなありながら、俺とみさきは就寝した。もちろん俺が布団でみさきはベッド。

『ゴゴゴゴ・・・・』ん?今何時だ?2時半?なんか大きな音がするぞ?俺は起き上がった。ベッドを見た。みさきがいない。どこいったんだ?ふと窓の外を見るとみさきがいた。いるにはいましたよ確かに。でも俺はその瞬間夢だと思ったよマジで。みさきが・・・・巨大化してる・・。全長10mはあるぞ!!どうなってんだこりゃ!?他にも何か・・、UFOじゃねえのかよあれは!?円い円盤状の物体が飛んでいた。皆が単純に描くUFOそのままの形だ。つーか戦ってんじゃん!?どっちが敵だよ!それはすぐ分かった。UFOは町を攻撃し、みさきはそれを・・守ってますか?攻撃仰いでるだろあんた!俺は窓から外に飛び出した。・・・・ここ二階だぁー!『ドン』下が芝生でよかった。そんなことより早くあいつらを止め・・・・れないよ・・いったところで・・ねぇ?諦めて家に入ろうとしたとき、
「あ、裕樹!」みさきの声だ。
「見られたなら仕方ない。UFO!攻撃をよろしく!」マジやめてぇ~~!!!そんなわけ無く、UFOの放った弾がこちらに向かってくる。
「うわああああぁああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・。」

『ガバッ!』・・・・夢か・・。めちゃコエエよ。一体どんな記憶が混ざったらこんな夢になるよ。当然のことながらPS2は傷一つ見当たらない。町も普段どおりだ。階段を降り、リビングに入った瞬間、俺の安堵感は吹き飛んだ。
「おはよ。裕樹♪」・・・・いた・・・いましたよみさきが・・・。夢じゃねぇよ・・。やめろぉ~~!!!

俺はこいつからいつ開放されるの・・(涙

                     ~終~

注:この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、一切関係ありません。